城崎温泉

JamesMaki2007-01-13


冬になり、冷える部屋で過ごす毎日に、身体が無性に温泉を求めるようになりました。
熱い湯にドボンと飛び込んで、脱力した時間を過ごしたい。


ちょうど関西方面についでの用事ができたこともあり、志賀直哉の小説でも有名な城崎温泉へ行くことにしました。
実は昨年10月にも但馬を訪れていたのですが、その時は城崎は通過(正確にいうと、ちょっと途中下車して駅前でお土産を買った程度)だったので、今回こそは…という思いもあって決めたのです。
この季節はカニも美味しいしね。
ただし、その「ついでの用事」のおかげで、日帰り(それもごく限られた滞在時間)のスケジュールになってしまいましたが、まあそんなことは構いません。とにかく温泉の熱い湯にドボンと飛び込めさえすれば!


てなわけで、東京から450km駈けてきた朝9時、京都駅より山陰本線に乗り込みます。
朝早起きだったこともあって、途中ウトウト居眠りもしながら列車に揺られること3時間、兵庫県豊岡市城崎温泉駅に到着。
日本海にほど近いこの地、雪が見られるかと思っていましたが、まったく積もっていません。
やはり暖冬のせいなのでしょうか。


小雨の降る中、温泉街を早足で歩き、温泉の外湯へ向かいます。
この城崎温泉は旅館の内湯だけでなく、共同浴場も充実しています。日帰り客にはありがたい話だなあ。


城崎温泉に7軒ある外湯のうち、今回は温泉街の一番はずれにある「鴻の湯」を選択。
時間あまりないのに、わざわざ一番遠いところにしたのは、ここが城崎で一番古い外湯だからです。
それに、一番遠いということは、途中で他の外湯の前を通っていくことになるので、次回来る時のために下見ができるからね。


さて、その「鴻の湯」までは駅から徒歩15分ほど。
歩いているうち、元々あまりよくなかった天気がさらに悪くなってきて、ついには大粒のみぞれが降ってきました。
うわー、こりゃたまらん。
一応、折りたたみ傘は持ってきているのですが、差すのが面倒だ。それにもうちょっとで着くはず。


ダウンジャケットをずぶ濡れにしながら、「鴻の湯」に到着。
入湯料¥600を払って中に入ります。


かかり湯もそこそこに、湯の中にドボーン。


ああ〜〜〜〜〜
これだよなあ〜〜〜〜〜〜〜〜。


ふと外を見ると、露天風呂もあるではありませんか。
雨はまだ降っていますが、そんなことはどうでもよろしい。
頭にタオルを乗せ、外へ出て露天風呂にドボーン。


う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん
これだよなあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。


日本海側らしく、脇に植えられている松の枝に「雪吊り」がされている(先述の通り残念ながら雪は乗っていない)のを見たりしながら、ゆったりと温泉を堪能します。
雨も次第に弱まり、やがて気付いた頃にはいつの間にか上がっていました。


露天風呂から引き上げた後も、また屋内の湯に浸かったりして、時間ギリギリまで温泉にしがみつきました。頑張りすぎたのか、上がったら軽く湯当たり。がっつくのはいかんね。
くらくらする頭とほかほかな体で外へ出て、再び温泉街へ。


駅までの途中にある料理屋「をり鶴」に立ち寄り、帰りの列車の中で食べるお弁当を買います。
先述の通り、せっかくの冬の城崎、カニの一つも喰いたい。しかし残念ながら、じっくりがっつり喰っている時間はないので、せめてカニ弁当でもどこかに売ってないものか…と、出発前にネットで探していて見つけたお店です。
「おみやげ かにちらし」(¥1,200)を注文。すぐ受け取れるものと思っていたら、お茶を出されて「どうぞこちらでお待ちください」と、カウンターの椅子を勧められました。
どうやら作り置きではなく、注文を受けてから詰めるようです。本格的だなあ。


カウンターの客と話をしている若い板前さんと、その隣で黙々と刺身のツマ用に大根を刻んでいる大将(おじいちゃん)を眺めながら、待つこと5分ばかり。
若いおかみさん(板さんの奥さんか?)が「お待たせしました、どうぞ」と渡してくれた包みを抱えて、駅へ向かいます。


列車に飛び乗り、再び京都へ。
車内で広げたお弁当は、カニが贅沢にちらしてあり、なかなか食べでがありました。


これにて城崎の日帰り入浴旅行は無事終了。
「ついでの用事」がなければもっとのんびりできたのでしょうが、まあ、仕方ないかな。
城崎はなかなか風情のある温泉ながら、素泊まりで5,000円からという旅館も見かけたりして、なかなか庶民的でもありますね。次はぜひ泊まりで来たいものです。