広島×阪神@広島市民球場

JamesMaki2008-09-07

広島東洋カープの本拠地として数多の熱戦の舞台となった広島市民球場ですが、開場から50年が経過し、老朽化のため今シーズン限りで閉場することが決まっています。

その前に一度でも行っておきたいなあと思っていたところ、ちょうどタイガースのファンクラブ応援デーがあり、ファンクラブオリジナルグッズがもらえるというので、タイガースの市民球場での最終戦となる試合に乗り込むことにしました。


前日に広島入り。

今回は外野自由席なので、場所取りをしておこうと、深夜に宿を出て歩いて球場に向かいます。

ネットで調べたところによれば、外野自由席の場合、試合前日の夜から「○月○日 対××戦 △名」といった情報と自分の名前を書いた段ボールなりシートなりを置いておくと、後は当日開門の30分前くらいまでに戻ってくれば大丈夫ということになっているらしい。


初めて見る市民球場には「夢と感動をありがとう」の文字が外壁に掲げられていました。

その下を通ってレフト側外野席入口へ回ってみると、すでに場所取りの列がズラーッと、入口前から球場外側の歩道沿いに延びています。

列の最後尾らしきところを探し出し、「9/7(日)阪神戦 1名」と書いた紙をガムテープで地面に貼り付けて、さあこれでOK。

土曜の夜のせいか御機嫌な酔っ払いが多い本通りを抜け、宿に戻ってすぐ床に就きました。


さて翌日。

場所取りはしてあるので適当な時間に列に入ればいいのですが、広島城の周りなどぶらぶら歩いてみるものの、やっぱり球場の方が気になります。

結局、広島城は二の丸を見学しただけで、天守の入口で引き返し、そのままひろしま美術館の横を抜けて球場へと足を向けるのでした。


昨夜も通った球場外周の道に来てみると、まだ午前中にもかかわらずかなりの人が集まっています。

チケット売り場には「全席完売 当日券ありません」の張り紙。

周りには赤いユニフォームに身を包んだカープファンと、それに負けていない数のタイガースファンの大群。

うーん、さすが今季最終戦だ…。


せっかくなので球場の周りを写真を撮りつつぐるっと一周して戻ってくると、正面玄関前で何やらカープファンが2列に分かれて並んでいることに気付きました。

何だろう?と思って後ろから見ていたら、実はこれカープの選手がタクシーで乗り付けるのを待ち構えているんですね。

そのまま眺めている間にも、栗原や永川といったカープの主力選手が続々と到着し、そのたびに両脇のファンから歓声が上がります。

私服姿の永川はそのへんにいそうな恰好いい兄ちゃんという感じだった。


まだまだ時間があるので、球場近くの原爆ドームやら平和記念公園のモニュメントやらを見てから、球場隣のそごうに入り、デパ地下を一回り。

あちこちの売り場でカープのユニフォームを着た客が弁当を買い求めており、大阪でいうと梅田の阪神百貨店ダイエー甲子園のような感じです。

しかし結局ここでは何も買わず、本通りのタイガースショップでファンクラブ応援デーグッズを受け取ってから、その近くのコンビニで昼食と2リットル分の飲料を調達。


ようやく球場の列に戻り、場所取りの紙を置いていた場所に入ります。

すぐ後ろには奈良から車で来たという兄ちゃんたちのグループが。


この兄ちゃんたちによると、今日の先発は阪神金村曉、広島は前田健という情報。

金村ー? 今季ここまで勝ち星のない金村? 今日はアカンな…とチラッと思ったことは否定できません。


兄ちゃんたちと「今年阪神優勝できると思う?」「いやー、今の勢いならGやろと思います」*1という話をしているうち、開門時刻となり、列が進みはじめました。


グラウンドに近い方がいいと思い、フェンスすぐ前の最前列を確保。

タイガースの選手たちが練習をしているのを弁当を喰いつつ眺めたり、席を立ってスタンドや売店のあたりを歩いてみたり、最上段まで上っていってみたりして試合開始までの時間を過ごします。


そのうちに両腕がなんだかヒリヒリしてきたので、見ると真っ赤になっています。じっと座っていたせいだ。

慌ててTシャツの上に羽織っていたシャツを脱ぎ、腕の上にかけて陽射しを遮ることに。

まさか球場で日焼けをするとは思っていなかった。長袖を持ってくればよかったな。


周りの席もじわじわと埋まってきました。

自分の周りはまだ空席があったのですが、試合開始直前になって2人連れの客が警備員に誘導されてやってきて、これで完全に満席状態。


最前列の席はグラウンドと同じ高さで、確かにすごく近かったのですが、いざ試合が始まってみると、フェンスが若干邪魔なことに気がつきました。そうか、だからこの列は最後まで埋まらなかったのか。しかしもう移動するには遅い。


攻撃開始前、斜め後ろに陣取っていた阪神応援団が何ごとか叫んでいます。

遠くてよく聞こえなかったのですが、その後で「市ー民球場あーりがとー!」コールが起こりました。なるほど。

さすが市民球場(阪神にとって)最終戦。今日来てよかった。


さて金村ですが、4回までは無失点に抑えたものの、5回に2点を先制され、6回にも連打で満塁のピンチを作ってしまいました。

スタンドのタイガースファンが殺伐とした雰囲気になる中、金村ファンと思われる男性の「みんなー! あんまり叩かんといてやってくれ! 金村も勝ちたいんや!」という叫び声が後ろから聞こえてきました。


しかし声の主の願いも空しく、アレックスの内野ゴロの間に3点目がカープに入り、金村はランナーを2人残して降板。

リリーフの渡辺も栗原にタイムリーを打たれ、試合の大勢が決した空気になりました。


タイガースは7回に代打の高橋光のホームラン(自分のちょうどすぐ頭上を越えていった)で食い下がるものの、マエケンから上野・永川のリレーに抑えられ、結局5-2で試合終了。


グラウンドには青でなくマゼンタ色のスラィリーが登場。

後で調べると、ハッピースラィリーといって、滅多に出てこないので結構レアな存在らしい。


振り返ると、6回表の満塁の場面で、金本の内野ゴロで1点しか入らなかったのが痛かった。打線の決定力不足には目を覆うばかりです。

まあ、今回はこの球場に行くことが主目的だったので、敗けてもまあいいか、という感じではありましたが。


その他、この日印象に残ったことを書いておきます。

  • カープファンのスクワット応援で揺れるライトスタンド
  • 7回裏の前、打ち上げを待つジェット風船で赤くなっているライトスタンド
  • 試合終了後、ゴミ袋片手に球場周辺を熱心に掃除して回るカープファンのお姉さん(あまりに熱心なので自分の足元のゴミを拾って渡してあげた)

カープファンの熱さがよくわかる試合でもありました。自分も広島に生まれ育っていればきっと熱烈なカープファンのひとりになっていたことでしょう。

*1:実際、シーズン最後の最後でその通りになった。兄ちゃんの予想おそるべし。