金刀比羅宮

JamesMaki2009-03-03

高知から帰る途中、ちょっと途中下車してこんぴらさん参りをすることにしました。

実は「やたらと階段を上らされる神社」程度の知識しかなく、その階段が何段くらいあるかすら知らなかったのですが、有名な神社だし、せっかくだから行っておこうかと。


JR琴平駅を出て、参道へ。

3月の瀬戸内というのに午前中から雪が舞っており、気温は低いし足元も悪く、参拝日和(どんな日和?)にはほど遠い状況です。


やがて目の前に石段が見えてきました。

それほど時間があるわけでもないので、一旦止まってひと呼吸入れたりすることもなく、そのまま突入。


上りはじめてしばらくは土産物屋などがずらりと脇に並んでいるのですが、その店先に「荷物預かります」の看板が多く目につきます。

参拝者サービスというか客を引き入れるための撒き餌というか、いろいろ考えるものですね。

看板を出しているだけでなく、リュックを背負って階段を上っている私を見て、店員さんが「荷物預かりますよ!」と実際に声をかけてきます。

確かに軽い荷物ではないが、預けるつもりはないのでスルー。


別の店の前を通り過ぎようとしたところ、前に立っていたおかみさんが「荷物預かるよ!タダだから!」と言ってきました。

あれ、タダで預かってくれるんだ。でもまあ、やっぱり世話になるまでもないよな…と思い、「大丈夫です。どうも!」と返事。

すると、おかみさん呆れたような様子で「あと500段もあるのに…」。

いや、預かるのはタダでも何か買わなきゃいけなくなるんでしょ。「タダより高いものはない」という諺くらい知ってます。


さて、「荷物預かります」以外によく見たのが「○○○段目」という看板。

どれだけ上ってきたのかが一目で分かって便利ですね。でも、残りがあと何段なのかが書かれていればもっとありがたいのですが。同意見の人多いんじゃないかと思うけどなあ。


心なしか、なんだか階段が急になってきたような気が…と感じてきたあたりで、大きな門が眼前に登場しました。

帰った後で調べたところ、「大門」というそのまんまの名前の門で、この先からが境内になるのだそう。

ここで365段目ということですが、門をくぐってしばらくは比較的平坦な道が続き、足取りも少し楽に。


しばらくして大きな鳥居をくぐります。

これまた帰ってから調べたところ、ここで431段目らしい。


このあたりから階段が再び傾斜を増し、それに連れて背中の荷物がだんだん重く感じられるようになってきました。

高知で買ってきたお土産などもみんな一緒に入れているので、先にも言った通りもともと軽くはないんですが。

コートの下は汗びっしょり。


それでも、さっき下で荷物を預けてこなかった意地があるので頑張って上っているうち、大きな社殿が見えてきました。

「旭社」という看板が立っています。

しつこいですが帰ってから調べたところによれば、ここで628段目とのこと。

かの森の石松が参拝に訪れた際、この旭社のあまりの立派さに本宮と勘違いして、ここで参拝を済ませて引き返してしまったという逸話があるそうで。


ちょうど脇に屋根つきの休憩所があったので、ここらで一息入れることに。

リュックを背中から下ろし、コートも一旦脱いだのですが、汗が冷えて寒いのでまたすぐに着ました。


5分ばかり休んでから、「本宮はこちら」という案内板に従って細い道を進んでいきます。


あとどれくらいかなあ…と思いつつ急な階段をずんずん上っていくと、上り切ったところで目の前に立派な建物が。

「あれ? もしかしてこれが…?」と見回してみると、すぐ後ろに御守の授与所があるので、ここが本宮ということで間違いないようです。

なーんだ、旭社からは意外と近かったんですね。


帰ってから(中略)によると、この本宮まで合計785段なのだそうで。

時計を確認すると、途中休憩込みで1段目から約25分かかったようですが、これって速いのかそうでもないのか?


ともかくも無事に参拝を済ませます。

「正面からの写真撮影はご遠慮ください」という注意書きがありました。

これは他の参拝者の邪魔にならないように脇から撮ってくれということか、あるいは正面から撮ると神様への冒涜に当たるとかいう理由なのでしょうか。はてさて。


本宮のすぐ横は展望台のようになっており、讃岐平野を一望のもとに見渡せるようになっています。

案内板とつき合わせながら、眼下に広がる讃岐平野のパノラマをしばし堪能。

惜しむらくはやはり天気がイマイチだったことですね。晴れている時だったらもっと綺麗なんでしょうけど。


その後は御神籤を引いたり(あまりいい運勢ではなかった)写真を撮ったり(正面は避けました)してから撤収。

旭社までは下り専用の階段、その先はさっき上ってきたのと同じ道をそのまま下っていきます。


と、下っているうちに、何やら腹の具合がおかしくなってきました。

汗が冷えたのがよくなかったのか。

冷や汗をかきながら土産物屋街を通り抜けます。


ちょうど昼前ということもあり、本場の讃岐うどんでも食べて帰るつもりだったのですが、とても食事どころではない。

にも関わらず、なんとも間の悪いことに、階段を下り切ったところにうどん屋があって、おまけにご丁寧にも店員のお姉さんが「すぐお出しできますよ〜」と店先で呼び込みをしています。

なんでこんな時に腹痛など…と思いつつ、文字通り断腸の思いで駅へ戻るのでありました。とほほ。


次に来る時はもっと軽い荷物で臨むことにしよう!(←やっぱり預けるという選択肢はない)