ポワレとフォルチュニィ 20世紀モードを変えた男たち@東京都庭園美術館

JamesMaki2009-03-29

華麗 大正浪漫」の招待券をNさんからいただいた際、同封されていたのがこの展覧会の招待券。
神戸ファッション美術館で昨年初夏(「華やぐこころ 大正昭和のお出かけ着物展」の後)に組まれていた展示が東京へ巡回してきたもののようです。
どこからどう見ても女性のモード専門の展示といった様子で、自分のファッションの参考にできる余地などなさそうではありますが、せっかくなのでやはり行ってみようじゃないか、うん、行こう…と思いつつもなかなか行けず。
会期終了間際というところになって、ようやく目黒の東京都庭園美術館へ足を運びました。


今回が初の来場となる庭園美術館の正門を入ると、桜がすでに五分咲きに近いあたりまで開いていて、多くの来場者が立ち止まってカメラや携帯を構えています。
自分も数枚ほど撮ってから、館内へ。
何でも戦前は宮様の邸宅だったところだそうで、何とも立派な建物であります。


さて今回展示されているのは、フランスのポール・ポワレ、イタリアのマリアノ・フォルチュニィという2人のデザイナーによるものなのですが、ほぼ同時期に活動していた2人とはいえ、その作品にはだいぶ違いがあるように見えました。
まずポワレは、中東や日本などオリエンタリズムに影響を受けた華やかなドレスが多く、モードの正統派というか主流派というか、あるいは王道というのか、そんな印象です。
妻や子どもたちなど家族のために作った服も展示されていて、何となくほっこりしました。


一方、フォルチュニィは古代ギリシャ風のデザイン「デルフォス・ドレス」に代表されるように、シンプルな中にも技巧が凝らされているという感じです。
また中には帽子箱のような入れ物に巻いて納められたドレス(実際、最初に一目見て帽子かと思った。シワや形崩れを防ぐために箱に入れて保管せよということらしい)もあったりしてなかなかユニークではあるのですが、ただ、同じようなデザインのドレスが多いのと、どうもシンプルに過ぎるように思えました。
どちらかと言われれば個人的にはポワレのドレスのほうが好み。まあ、別に自分が着たいわけじゃありませんが。
もっとも、この展覧会を観てきた人のブログをいろいろ読んでいると、フォルチュニィを強く推している意見もあったりするので、男女によって嗜好が違うということなのかもしれません。


展示をすべて見終わって、別館の休憩ロビーでちょっと一息。
宮様邸として作られてから現在に至るまでの美術館の歴史を紹介するビデオもこのロビーで流れており、これも一通り見てから退館。


全体的な感想としては、会場の庭園美術館自体もすばらしい雰囲気で、とても充実した展示でした。見て回った時間ぶんの価値があったというか。
普通にチケットを買っていたら1,000円もする(まあこの内容なら妥当な価格と思いますが)展覧会だったわけで、それがタダで観られたとは実に幸運です。
改めまして、Nさんありがとうございました。またよろしくお願いします(笑)←おねだりか!