屋久島・宮之浦岳縦走 3日目の2(どんどん下山編)

縄文杉を後にして下りて行くこと数十分ほど、さっそく登ってくる人たちの第一陣と出会いました。比較的軽装の男性2人組です。
「おはようございます」と挨拶を交わして通り過ぎます。


その後しばらくすると、徐々に登ってくる人が増えてきました。
登り優先のため、我々は横にどいて登る人たちを通してあげないといけません。
もっとも、道が狭いため、実際にはすれ違いができる場所まで我々が下りるのを相手が待っていてくれたという場面もたくさんありましたが。


そんな中、途中ですれ違ったガイドさんのひとりから「こっちの道を行きなよ」と声をかけられました。
見ると、通常のルートから左側へ分岐して登って行く道が。
「自然観察路」といって、ウィルソン株のところで再合流するルートなのだそうです。


「後からどんどん登ってくるから、すれ違うのを待っているとだいぶ時間をロスしてしまう。自然観察路のほうがいいよ」。
どうやら若干遠回りながら、登山者とほとんどすれ違わない道のよう。
「どうしようか」と3人で考えたものの、今日も若干出発が遅くなり、さらに白谷雲水峡に下りるので時間的にも余裕がそれほどないことから、いったんは通常のルートをそのまま下りて行きました。
しかし、さらにその先ですれ違ったガイドさんからも「今からでも引き返して自然観察路へ入ったほうがいいよ」と言われ、それならばと、数分ばかり戻って先ほどの分岐から自然観察路へ。


自然観察路は確かにまったく人が登ってこず、マイペースで下山ができるルートでした。
「でも何で“自然観察路”って言うんでしょうかねー?」とIさん。
確かに、それほど変わった植物がこっちのルートに生えてるとかいうわけでもない。
んー、もしかして通常ルートは人が多すぎて「人間観察路」になってしまっているから、こっちは比較的自然観察ができますよ、って意味じゃないですかね。
地形図には載っていない道ですが、目印になるピンク色のテープがあちこちにあって、よく注意していれば道迷いの心配はそれほどなさそうです(といっても一度道を外れかけましたが…。)


途中、高塚小屋で会ったガイドさんの一行とも再び行き会って「やっぱりこっちのほうへ来てたのか」なんて話をしつつ、無事通常ルートに合流。
しかし、ウィルソン株に到着してみると、その前ではすごい数の人が休憩中。
さらに、有名なハートマークの空を見るために株の中に入ろうとする人たちが行列を作っていて、相当時間がかかりそうです。
我々も一度は列に並んだものの、やはりこの先の予定のことを考えてあきらめました。
ハートマークはまた別の機会に…。


ウィルソン株
ウィルソン株


さて、ウィルソン株からさらに下りてゆくわけですが、このあたりになるともうすれ違う人はだいぶ少なくなりました。
それでも、ガイドさんに連れられた白髪の老夫婦が「もうバテた」と言いながらゆっくりと登ってきたりして、いろんな人がいるなあーと思わされます。
時間的にどこまで行けるか分からないけど、おじいちゃんがんばれ!


40分ほどで大株歩道入口に到着してトイレ休憩。
ここからトロッコ軌道の道です。


高塚小屋のガイドさん一行ともまたまた合流。
ガイドさんたちは荒川登山口へ下りて行くとのことで先に出発。ここでさよならとなりました。


ロッコ道は、線路の間に木道が敷いてあって非常に歩きやすいものの、ほとんど真っ平らな道がずっと続くことと、景色が若干単調なこともあって、別の意味で疲れる道ではありました。
こういうところこそトロッコに乗っていきたいのですが、残念ながらこのトロッコ軌道の営業は今年始めに廃止されてしまったとのこと。
…とは言っても、もともと一般の乗客を乗せるためのトロッコではなかったわけですが。
それでも、途中で道の補強工事をしている現場にトロッコ車両が停まっていて、資材の運搬用などにはまだまだ使われているようではありました(写真撮っておけばよかったと後から気付きました。失敗した)。


ロッコ道の途中、三代杉のところで補給のため休憩、さらにその少し先にある小杉谷山荘跡でトイレ休憩。
「小杉谷山荘跡」って名前だけ聞くとオシャレな感じで「別荘でも建ってたんでしょうかねー」などとSさんIさんと話していたのですが、後で調べたら別荘などではなく、山林関係者の宿舎だったようです。


そして、いよいよ楠川分かれに到着。
ここでトロッコ道と分かれ、白谷雲水峡方面へ向かうことになります。