上村松園展@国立近代美術館

JamesMaki2010-10-06

初夏のころに「松園の大規模な展覧会がこの秋にあるようだ」ということを知り、大いに期待し楽しみにしていたこの展示。
会期に入るのに合わせて日経新聞では松園の特集も組まれ、それを読みつつさらに期待は高まります。


東京での展示は会期が前・後期に分かれており、間に作品の入れ替えがあるとのこと。
ほとんどの作品は通しで展示されますが、『焔』などは前期のみ、『序の舞』などは後期のみでしか見られません。
最初のうちはどちらに行くか思案していましたが、私の一番好きな『砧』が後期のみと分かり、あっさり決定しました。


というわけで、後期が始まって2週目、行ってきましたよ竹橋へ。



国立近代美術館に到着すると、チケット売り場はすでに長蛇の列。
私は招待券を持っていたのでそのまま入場できましたが、中に入ってみるとやはりかなりの人です。
mixiのコミュで「(前期は)そんなに混んではいなかった」という情報を聞いていたのですが、やはり有名な『序の舞』が出てくる後期はそうはいかないということでしょうか。


展示作品は、以前に奈良の松伯美術館や都内の各美術館で見たものもあったものの、初めて目にする作品も多く、実に楽しめました。
何より、松園の作品がこれだけ大量に一堂に会するだけあって、スケールメリット(?)を活かして作品ごとの特徴を他と比べるということができます。
初期の頃の作品は、きちんと描き込まれていて真面目に制作されていることがよく伝わってきました。
一方で後期のものは、キャリアを積むに従って力の抜きどころをうまく心得るようになってきているという印象です(もちろん、初期と比べて不真面目というわけではありません)。


まあ素人の御託はともかく、『砧』です。
実物と対面するのはこれで3度目くらいだと思いますが、やはり何度見てもすばらしい。
他の作品をすべて見た後で、また戻ってきて二度見てしまいました。
東京の山種美術館の所蔵作品なので、また見るのがそんなに難しいというわけではないんですけどね。


展示を見終えて出てから、美術館の常設展も(閉館時間間近だったので)駆け足で回り、出口で今回の図録を求めます。
図録以外にも絵はがき、クリアファイルや一筆箋などのグッズが揃っていましたが、しかし『砧』関連の商品はまったく置いていなかった!何故!
…山種に行けということなんでしょうか。とほほ。


いずれにしても大満足の展示でした。人がもうちょっと少なければもっと良かったのですが、こればっかりは仕方ないですね。